菅亮平 ワークショップ成果展「Narrating Cartography (口述地図製作法) 」を開催いたします。

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 2023年2月10日から2月21日の期間に、広島県広島市中区のHiroshima Drawing Lab (HDL)で、広島市在 住の美術作家、菅亮平が2022年10月にドイツのハノーファー専科大学で行ったワークショップ「Narrating Cartography(口述地図製作法)」の成果発表展を行います。

 私たちは、私たちの身の回りの風景や毎日通る道について、どれくらいのことを知っているのでしょうか。そし てそれを他者に伝えることができるのでしょうか。このワークショップは、一種の伝言ゲームです。ある地点を出 発点として、あなたが歩いた道とそこで見た風景をボイスメモとして口述で記録し、その音声を他者に渡して地 図に書き表してもらう作業を行います。そのプロセスを仮に「口述地図製作法」と呼んでみます。 他者に伝えるという目的を持ったときに、普段あなたが何気なく見てきた風景や道の中に新鮮な発見を見つけ られるかもしれません。また、あなたの風景の描写を他者がどのように解釈して地図に書き表すのかということ も、興味深い発見を与えてくれるはずです。 菅亮平

 本展では、ワークショップに参加したハノーファー専科大学の在籍生8名の成果作品を全て展示します。この ワークショップには、七カ国にまたがる様々な出自、国籍、専攻を持つ学生が参加しました。共通の言語として 英語を設定し、同じ風景の中に介在する者として、個々の文脈を超えて課題に取り組みました。美術が「見て、 感じ、考え、表し、伝える」という、人間の社会生活におけるコミュニケーションの根幹に寄与する知性であるとし たとき、このエクササイズはその可能性を考察する契機となるでしょう。 会期中には、元広島市現代美術館学芸員で、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で被爆者の証言アーカイ ブの業務に携わってきた、キュレーターの岡本芳枝氏を迎えて「証言と虚構性」と題したトークイベントを開催し、 本ワークショップにおける菅の試みについて議論を耕す機会を設けます。 皆様のご来場をお待ち申し上げます。


会期:2023年2月10日(金)〜2月21日(火)   11:00-17:30  (日・祝休み)

会場:Hiroshima Drawing Lab (HDL)

〒730-0017 広島県広島市中区鉄砲町4-5 ブラック画材 4階 

展示協力:Hiroshima Drawing Lab


参加者:ハノーファー専科大学 在籍生8名

ルギル・バラスケイト(Rugile Barauskaite / LR) 

ヤシカ・バラドウェイ(Yashica Bhardway / IN) 

ザヤ・ブリンコフ(Zaya Brinkop / ME, DE) 

チューリン・ハゲマン(Tülin Hagemann / TR, DE) 

ローレンス・アロイス・フーター(Lorenz Alois Huter / AT) 

カルメン・クノーケ(Carmen Knoke / ES, DE) 

ヨナス・ズレル(Jonas Surel / DE)

グレタ・タリマイテ(Greta Tarimaite / LR) 


トークイベント:「証言と虚構性」 菅亮平+岡本芳枝(キュレーター)

2月18日(土)16:00-17:30 /事前 予約不要 / 先着15名 

感染症拡大防止のため、オープニング・パーティーは開催致しません。ご来場の際は、マスクの着用、手指の消毒をお願い致します。また、必要に応じて入場制限を行う場合もあります。


【主催者経歴】

菅亮平(かん りょうへい)。美術作家。1983年 愛媛県生まれ、2022年現在広島県広島市在住。2013年に「ドイツ学術交流会奨学金(DAAD)」を受賞して以降、ミュンヘンと東京を拠点に活動し、2016年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号(美術)を取得。2013年から2015年までミュンヘン国立造形美術 アカデミーのグレゴール・シュナイダー教室に在籍、2019年同アカデミーを修了し、フローリアン・プムへスル教授のもとでマイスターシューラー号を取得。主な個展に、「K 15-30D」(広島芸術センター / 2022年 / 広島)、「 Cube with Eye」(スイッチ・ポイント / 東京 / 2019年)、「As you see it」(ヤマモト・ケイコ・ロシェックス / ロンドン / 2019年)、「In the Walls」(資生堂ギャラリー / 東京 / 2017年)、「Room A.EG_05」 (ミュンヘン国立造形美術 アカデミー / ミュンヘン / 2014年)、「White Cube」(トーキョー・ワンダー・サイト / 東京 / 2013年)などがある。 主な受賞歴に「シェル美術賞2012 島敦彦審査員賞」(2012年)、「野村美術賞」(2015年)、「第一回枕崎国際 芸術賞展 大賞」(2016年)、「デビュタント・スポンサーシップ 」(バイエルン州科学芸術省 / 2019年)などがある。2020年から広島市立大学芸術学部講師。


お問い合わせメールアドレス:kan.can.0517@gmail.com (担当:菅)



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Ryohei Kan WS Exhibition "Narrating Cartography"

Dates: 10-21 February 2023
Open Hours: 11:00 to 17:30; closed on Sundays and National Holidays
Place: Hiroshima Drawing Lab(HDL)
Address: 4F Black-gazai, 4-5 Teppocho Naka-ku, Hiroshima-city, Hiroshima-prefecture, 730-0017, Japan
Exhibition Support: Hiroshima Drawing Lab

Exhibitor : 8 students at Hochschule Hannover
Rugile Barauskaite / LR
Yashica Bhardway / IN
Zaya Brinkop / ME, DE
Tülin Hagemann / TR, DE
Lorenz Alois Huter / AT
Carmen Knoke / ES, DE
Jonas Surel / DE
Greta Tarimaite / LR

Talk Event "Testimony and Fictionality"
Ryohei Kan+Yoshie Okamoto (Curator)
18 February 16:00-17:30 / No reservation required / First 15 people

Hiroshima Drawing Lab

ヒロシマ・ドローイング・ラボ(HDL)は、2020年に広島市中区鉄砲町にオープンしました。常に変化していく現代社会において美術の表現形態は多様化し、その中でもドローイングはアートワークを形成する上で重要な役割を果たしてきました。それらドローイング表現に焦点をあて、アーティストによる展覧会の企画と開催、ワークショップ、レクチャーなどの活動を行なっています。