YAMIICHI Project
生きるための創造から、いまの表現へ
HDL+の闇市プロジェクトは、戦後広島の闇市に見られた「生きるための創造」を手がかりに、現代の表現として捉え直す試みです。物をつくり、交換し、場をひらく行為そのものを創造と捉え、アーティストを中心に、日常と表現のあいだにある実践を、継続的に行っていきます。作品を展示するという形式にとどまらず、生きることそのものが、どのように表現へとつながりうるのかを問い続ける、ひとつのプロジェクトです。
3つの取り組み
❷ YAMIICHI|ブラックアートマーケット
アーティストやカルチャーに関わる人たちが、自分の手でつくったものや大切にしてきたものを、直接手渡しで販売・共有するマーケットです。完成した作品だけでなく、ラフ、試作、ZINE、記録物、私物なども含め、「いま誰かに見せたい・渡したいもの」が並びます。ギャラリーでもフリーマーケットでもない、表現と人が近い距離で出会う、その日限りの市場として開催しています。ここでしか出会えない“一点もの”を、どうぞ見つけてみてください。
🗓️ 春・秋 開催|第一回:2026年3月21日(土)
最新情報は YAMIICHI news をご確認ください。
❸ 闇市廣島
闇市やヒロシマという、土地に刻まれた記憶や思考を掘り下げる企画です。
戦後の闇市をそのまま再現するのではなく、広島に流れ続ける時間や感覚に目を向けながら、いまを生きる私たちの視点から捉え直します。
将来的な展開も視野に入れつつ、リサーチや展示といった形式を通して、「闇市」という存在が持っていた意味や、人と人が物や思いを介して繋がってきた場所性をあらためて考えていきます。
アートと闇市
なぜ、アート × 闇市なのか?
アートは本来、制度や正解の枠組みの外側で生まれてきました。闇市もまた、切実な必要と人と人の関係から生まれた「非公式な経済の場」です。売る・見る・話すという行為が同時に行われる空間において、作品は単なる商品ではなく、人と人、記憶と現在を媒介する関係の契機となります。アートと闇市はいずれも、価値があらかじめ規定される以前の流動的な交換の場を共有しています。
広島は、戦後の闇市を通じて都市の基層が再編された場所です。破壊の後に人々の生活と関係が再び編み直されてきたこの土地には、「生きること」と「つくること」が密接に結びついてきた歴史があります。この広島で、アートを再び制度的な展示空間から日常の側へと引き寄せたいと考えています。HDL+は、ギャラリーでも市場でもない、両者のあいだにある実践の場として機能するスペースです。
闇市は、一過性のイベントではなく、人・街・記憶をつなぎ続ける持続的なプラットフォームとして展開していきます。広島を起点に、他の都市や文脈と接続しながら、かたちを変えつつ継続していきます。
完成された作品を並べるのではなく、関係が生成されるプロセスをひらくこと。それが、アートを闇市という形式で行う理由です。